臨時ニュース

福島原発事故での放射線が心配なお母様方へ

 東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
またこの地震に伴う福島原子力発電所事故による放射性物質に由来する健康への影響をご心配のことと存じます。特にお子様の被爆を心配され、安定ヨウ素剤による甲状腺の保護処置が必要ではなかろうかとご不安に駆られることと思います。

今の段階では安定ヨウ素剤による甲状腺保護処置は不要です。むしろ危険なことがありますので、避けてください。

 甲状腺はヨウ素を取り込んで甲状腺ホルモンを作る組織で、人間は食物からヨウ素を消化、吸収し、甲状腺はこれを取り込んで働いています。通常ヨウ素は放射能を持っていませんが、なかには放射能をふくむもの(放射性ヨウ素I−131)があり、これが食物を通じて大量に取り込まれると甲状腺に悪影響を与えることがあります。このため、多くの皆さんはご心配になっておられることと思います。
 食物中、土壌中のヨウ素量の多い日本では、通常の食生活を行うことで十分にヨウ素を摂取出来ており、自然と甲状腺は安定ヨウ素で満たされています。ごく少量の放射性ヨウ素が簡単に健康に影響するほど吸収されることはありません。むやみに安定ヨウ素剤を服用する必要はありません。また、ヨウ素の入ったうがい薬や消毒剤を飲むことは危険です、乳児の場合には成長障害を引き起こす危険もあります。
 安定ヨウ素剤の投与は、一度に多量の放射性ヨウ素の被爆をうけた40才未満の方に対して、一度だけ安定ヨウ素剤を内服し、その被爆地から退避していただくことが前提です。現状で一度だけ安定ヨウ素剤を飲んでいただいても、むしろ甲状腺機能が不安定になり、リバウンドで一定期間後に放射性ヨウ素の吸収をたかめてしまうことさえ起こりかねません。
 なお、放射性ヨウ素による甲状腺癌発症の危険性は40才未満であり、それ以上の方では危険性はほとんどありません。

 また八王子市から「放射能が心配」と帰省される方さえおられますが、福島原発から約250km離れており、この距離は韓国釜山市から日本の広島市までの距離とほぼ同じです。常識的には30km以上離れれば後はどれだけ離れても同じです。あり得ないことを心配するより、どうすれば同じ子どもを抱えた被災地の方々のためになるか考えていきたいものです。


 
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