今月の話題・開院して10年が過ぎました


  平成21年3月で当院も丸十年を迎えることができました。当時、周囲は畑が多く木々の緑が目立つ所でした。住宅がどんどん増えて住宅街になっていきました。当初、赤ちゃんだった子どもたちも小学生になり、病気ではなく予防接種でたまに来院する時も、その成長振りに目をみはるようになりました。子どもたちの成長を思うと、時代がひとつ過ぎていったのだなと感慨深くなります。これからの十年も皆様のご要望にできるだけ答えられるよう、スタッフ一同心を新たに頑張る所存ですので、今までと変わらぬご支持をよろしくお願い致します。

 

アンケート集計結果



 

―最近の話題 平成21年2月―

 平成21年1月にレントゲンフィルムのデジタルの現像器を導入しました。画像をデジタル処理できるため、動いてうまく撮影できなかったお子さんの画像もある程度読みやすくできるようになりました。たとえば、画像を拡大したり、濃度のコントラスを強調したり、色を反転させたりと色々な工夫ができ、読影(レントゲンフィルムから患者さんの情報を正しく読み取ること)に役立てるようになりました。今までは、現像液を手作業で作ったり、現像器を洗浄したり、現像器が正常に動くように休みの日にも電源を入れて点検したりと手間がかかっていました。大切に扱い、10年間1度もトラブルを起こさなかったかつての現像器ですが、デジタルの器械の導入と共にその役割を終わることになりました。10年間の感謝の気持ちと、ちょっぴりの感傷の気持ちがありますが、これも時代の流れなのかと思います。
 画像のデジタル処理とはつまりはコンピューターとの対峙になります。何とか使いこなし、正確な読影に役立てたいものです。

アンケート調査ご協力ありがとうございました
―玄関に散乱している靴についてー

 今年9月、当院の利用のしやすさやスタッフの対応の仕方について、アンケート調査を実施させていただきました。まだ集計中ですので結果が出ましたら後日ご報告いたします。定期的に行っているもので、日常の診療の参考にさせてもらっています。ご協力ありがとうございました。
そのなかで今回特に多かったのが玄関に散乱している靴に対する意見でした。「靴が散乱していて入りづらい。」というものです。そこで、9月末より手のあいているスタッフで、「靴を片付けます。」と声を掛けて靴を片付けていこうという取り組みを始めました。 
実際、片付けていると病気のわが子を抱え1分でも早く診察してもらおうと駆け込んでくる方や、出入りが混雑していると靴を靴箱にしまう余裕のない方が多く、散乱している靴の数は一向に減らないように思いました。しかし、ある日靴箱を見ると、お父さんの大きな靴の中に子供さんの靴がすっぽり収まっておいてあるのを発見しました。靴箱の他の場所を見ると、お母さんの金色のサンダルの上にちょこんと重なって置いてある赤ちゃんの靴。誰かがしてくださったおかげで、親子亀のように数組の重ねて置いてくださっている靴のセットを発見したのです。少しでも、多くの方が靴箱を利用できるようにとの配慮に感激しました。「靴は靴箱に」は未だ定着しておりませんが、スタッフも努力いたしますので、皆様のご協力をお願いいたします。

 

―冬に備えてー

 甲州街道を通ると、イチョウの実がたくさん落ちていて冬が間近であることを感じます。高尾山も紅葉でにぎわう季節になりました。ちなみに、イチョウはイチョウ科の落葉高木。都会の街路樹として代表的な植物。原産地は中国で、アヒルのあしのような葉が特徴。中国では鴨脚(ヤーチャオ)とよび、この名が和名としてイチョウとなりました。恐竜の時代にさかえた「生きた化石」でもあります。(『生きもの図鑑』石戸忠 今泉忠明監修)
 冬になるとインフルエンザや、感染性胃腸炎が流行します。ほとんどが飛沫感染なので、予防には手洗いや、うがいが効果的です。院内に紙マスクや速乾性の手指消毒薬を設置していますので、入室時退室時は利用してください。また、ティッシュペーパーやビニール袋を携帯していると、嘔吐したときに周りの方に迷惑をかけずに済みます。風邪は予防が一番です。規則正しい生活をして睡眠を十分に取り、3食しっかり食べて体力をつけておきましょう。

 

今の時期、冬場に流行る感染症と言えば、インフルエンザ、ウイルス性胃腸炎があります。サーベイランス(感染症の統計)によると、1月に流行のピークをむかえる疾患の中に水痘(みずぼうそう)がありますが、意外と知られていないようです。水痘は空気感染する非常に感染力の強い疾患です。症状が強ければ、かゆみでつらい、口の中にできるため水分が取れない、脳炎などの合併症があるなど気をつけなければいけないことも起こります。水痘は、幸運なことに予防接種である程度予防できる疾患です。インフルエンザワクチンが済んで、次の予防接種を考えている方は、水痘ワクチンを接種してはどうでしょうか。
★冬季に流行する主な感染症をまとめてみました。
病名 原因ウイルス 感染経路 潜伏期間 ウイルス
排泄期間
流行
インフルエンザ
RNAウイルスA型、B型、C型 飛沫感染 24〜48時間 解熱して2日経ってから登校可 冬季
ロタウイルス
ノロウイルス
ロタウイルス
ノロウイルス(以前は小型球形ウイルス、ノーウォーク様ウイルス)
接触感染
糞口感染
12〜24時間 長期間 ロタ2〜4月
ノロ12〜1月
水痘 水痘帯状疱疹ウイルス(α亜科ヒトヘルペスウイルス) 空気感染
非常に強い
接触感染
14日
(10〜21日)
水疱出現1〜2日前より、発疹がすべて痂疲形成するまで 1月と5月にピーク
7〜10月はピーク時の約1/4
平成20年1月 看護師
 9月号のホームページで、子育てに地域の老人の力を活用しましょうという内容の話をしましたが、今回はその続編です。八王子市には保育支援をするファミリー・サポート・センターがあります。子どもを預けたい人と預かってもよいという人がサンターに会員登録し、互いの希望を調整し、有償で子どもの世話をする地域の会員組織です。センターは、会員登録や依頼内容に合った会員の紹介を行います。子どもの世話をする現在の会員数は約500名、有償といってもボランティアに近い金額です。40歳台から60歳代の育児経験のある「おばちゃん」が保育のサポートをしてくれます。しかも、ただの「おばちゃん」ではありません。小児科医による講義を受け(今回当院の院長が講師でした)、救急蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の講習も受けることがあります。ただの「おばちゃん」が、ちょっとした保育のプロになって、保育支援をしてくれるのです。仕事をしているお母さんや育児不安を抱えているお母さんは、一度相談してみるのもいいでしょう。
 今日外来に、母親でなく近所の「おばちゃん」が子どもを連れてきました。「自分はよく分からないの」といいながらしっかりと院長の話を聞いていかれました。こういう光景がもっと見られてもいいと思います。地域で子育てをすることが必要です。
 ちなみに、当院でもAED(自動体外式除細動器)を設置しています。
当院設置のAEDです。
※ ファミリー・サポート・センター:042-621-7001
平成19年11月 看護師
 「町でかわいい赤ちゃんを見かけても、昔のようにあやしたり、抱っこしたりできない。」知り合いの老人の言葉である。他人の子供には簡単に触ってはいけないような雰囲気があるというのだ。
 子供は、両親、祖父母、親戚、近所の住人、かかりつけ医、保育士などたくさんの大人の力を借りて育つものだ。しかし、今の社会では、みんなで育てるという認識が薄くなっているように思う。祖父母との別居が当たり前の核家族化、知らない人とは関わってはいけないという自己防衛、などが原因なのだろう。
 子供は決して両親だけでは育てられない。両親は自分たちだけで頑張ろうとするあまり、ストレスを抱え込み、育児不安に陥ってしまうのではないだろうか。頑張りすぎるお母さんが増えているように思う。
 「病児保育等サポート事業」が八王子でも始まった。そういう公的機関を利用するのもいいだろう。しかし、身近な老人をもっと利用してもいいのではないだろうか。老人は自分たちからはなかなか声を掛けられない。声を掛けてはいけないとさえ思っている。だからこそ、頑張っているお母さんたちから先に頼って欲しい。老人はそれを待っている。
 かわいい赤ちゃんからパワーをもらい、老人も元気になるのだ。
2007年10月 看護師 
 
今月のスタッフから一言(熱の話)

 私は仕事中、「暑い、寒い、疲れた」を言わないようにしている。自分が「暑い、寒い、疲れた」と感じたときはみんなも同じように感じているからだ。これは、私の仕事に向かうささやかなポリシーのひとつなのだが、以前研修を受けたときに、都内の税務署の所長さんがまったく同じことを言ったのでびっくりしたことがある。実際、今の時期は湿度も高く、待合室が混んでくると暑いと思うことも多い。また、いわゆる夏かぜといわれるアデノウイルス感染症やヘルパンギーナ、手足口病などは39度から40度の高熱が出る。40度の熱の出ているわが子を抱き、待合室で30分もじっと待っているお母さんを前にすると、なおさら暑いなどとは言っていられない。

 熱と一言にいっても奥が深いもので、測る時間や測る部位、体温計によってもかなりの誤差がある。そして、来院する1番の理由が発熱でもある。「熱が下がらない。」1日に何度も耳にする言葉である。そういう時、熱ばかりを気にせず子供の全身状態を見るように説明するのだが、熱は患者さんの情報の中でもかなり重要なものであることも確かだ。

  子供の頃、かぜをひいて熱を出すのがいやではなかった。それは、両親に心配してもらえ、優しくしてもらえるのがうれしかったからだ。「熱が下がらない。」と心配するご両親に対して、熱は病気が出しているのではなく、病気に対抗しようとして子供が出しているのだから大丈夫だよと説明する。しかしその反面、たくさん心配して、たくさん愛情を与えて欲しいとも思う。多分、子供にとって両親の心配や愛情は何よりの薬になるのだろうから。

 8月号の「こっこクラブ」の夏かぜの特集は院長が監修しているので、興味のある方は一読して欲しい。 

看護師

 
子どもへのインフォームドコンセント(看護師からのメッセージ)
 採血や点滴、レントゲンなど検査に際して、とても怖がる子がいます。私達はこの「怖がる」ことが正常な反応と考えています。この「怖がる」子ども達に対して、なんとか処置・検査を行わなければなりません。泣き叫ぶ子を無理やり押さえつけるのか、よく説明し納得してもらってから行うのか。大人ならば、もちろん納得してもらった上での処置(インフォームドコンセント)になります。では子どもに対してはどうするのがいいのでしょうか?
 平成11年4月、当院が開業するときに院長がスタッフに言いました、「小さくても話してわかる子にはとにかく説明する」と。子ども達と私達(医療者)との信頼関係をたいせつにしたいという院長の思いがスタッフ全員に伝わりました。大体2歳ぐらいからは、話せば分かります。泣き叫ぶ子や嫌がる子にも一所懸命説明しました。しかし実際には説明しても泣き続け、そのまま処置を行うケースも多いのです。それでも信頼関係は不思議と保たれ、処置が終わるとケロッとしていたり、次に会ったときにも笑顔で挨拶してくれたりするのです。
 もっとわかりやすい説明をするにはどうすればいいのか、考えることもありました。そんな時「子どもにもインフォームドコンセプト」という新聞記事を目にしました。絵本を使って説明する写真が載っていました。そこで当院でも独自の4コマ漫画風説明絵本を作ってみました。使ってみると確かに、口で言うよりも興味をもって聞いてもらえます。子ども達は何をされるのか分からないから不安になるのだなあと改めて感じます。
 待合室の雑誌入れに一冊おいてあるので是非、手にとって見てください。「処置の手順」という表紙がついています。
看護師チーフ  伊藤

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