(社)日本小児科医会 「子どもとメディア」
○提言
影響の一つ目は、テレビ、ビデオ視聴を含むメディア接触の低年齢化、長時間化です。乳幼児期の子どもは、身近な人との係わり合い、そして遊びなどの実体験を重ねることによって、人間関係を築き、心と体を成長させます。ところが乳児期からのメディア漬けの生活では、外遊びの機会を奪い、人とのかかわり合い体験の不足を招きます。実際、運動不足、睡眠不足そしてコミュニケーション能力の低下などを生じさせ、その結果、心身の発達の遅れや歪みが生じた事例が臨床の場から報告されています。このようなメディアの弊害は、ごく一部の影響を受けやすい個々の子どもの問題としてではなく、メディアが子ども全体に及ぼす影響の甚大さの警鐘と私たちは捉えています。特に象徴機能が未熟な2歳以下の子どもや、発達に問題のある子どものテレビ画面への早期接触や長時間は、親子が顔をあわせ一緒に遊ぶ時間を奪い、言葉や心の発達を妨げます。
影響の二つ目はメディアの内容です。メディアで流される情報は成長期の子どもに直接的な影響をもたらします。幼児期からの暴力映像への長時間接触が、後年の暴力的行動や事件に関係していることは、すでに明らかにされている事実です。メディアによって与えられる情報の質、その影響を問う必要があります。その一方でメディアを活用し、批判的な見方を含めて読み解く力(メディアリテラシー)を育てることが重要です。
私たち小児科医は、メディアによる子どもへの影響の重要性を認識し、メディア接触が日本の子どもたちの成長に及ぼす影響に配慮することの緊急性、必要性を強く社会にアピールします。そして、子どもとメディアのより良い関係を作り出すために、子どもとメディアに関する以下の具体的提言を呈示します。
○具体的提言
- 2歳までのテレビ、ビデオ視聴は控えましょう。
- 授乳中、食事中のテレビ、ビデオの視聴は止めましょう。
- すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが必要です。1日2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。
- 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パソコンを置かないようにしましょう。
- 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールを作りましょう