平成24年11月より4種混合ワクチンの接種が開始になりました。
4種混合ワクチンは、百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオを予防するワクチンです。
生後3カ月から接種が可能です。
3種混合ワクチン (百日咳・ジフテリア・破傷風) |
DPT | 20日~56日あけて | (~6ヶ月)1年後 | ④ |
①②③ | ||||
不活性ポリオワクチン | IPV | 20日以上あけて | 6ヶ月後 | ④ |
①②③ |
||||
4種混合ワクチン (百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ) |
DPT +IPV |
20日~56日あけて |
(~6ヶ月)1年後 | ④ |
①②③ |
合計で、4回の接種が必要です。
※3種混合ワクチンを接種された方は、不活化ポリオワクチンの接種が必要です。不活化ポリオワクチンの追加接種(4回目の接種)を受けていないお子さんは、早めに接種を受けて下さい。
(平成29年10月追記)
新しいロタウイルスワクチンが発売され、ロタウイルスワクチンが2種類になります。
それぞれの特徴を以下の表に記しました。接種される場合は、同じ種類のワクチンを必要回数接種する必要があります。
また、ロタウイルス胃腸炎や注意事項については、「ロタウイルスワクチンのご案内」を参照してください。
●ロタウイルスワクチンは、生ワクチンで、経口ワクチン(口から飲むタイプ)、任意接種です。
ロタリックス | ロタテック |
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2回接種 4週間隔で | 3回接種 4週間隔で |
生後6週から24週まで 初回は生後8~14週までに接種を推奨 | 生後6週から32週まで 初回は生後8~14週までに接種を推奨 |
1価ワクチン 一番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチン 交差免疫によってほかの種類のロタウイルスにも有効 | 5価ワクチン 一番流行して重症化しやすいウイルスを含む5種類のロタウイルスを弱毒化したワクチン 交差免疫によってほかの種類のロタウイルスにも有効 |
高い抗体価が得られる 接種して1週間ほど便へのウイルスの排出がある | 3回接種して必要な抗体価が得られる 便へのウイルスの排出は少ないとされる |
1回 13,000円 | 1回 8,500円 |
接種後、すぐに嘔吐した場合は、メーカーの保証があるため、無償で再投与できます。 | 接種後、すぐ嘔吐した場合でも再投与の必要はないとされています。 |
どちらも安全なワクチンです。
生後2か月から、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンとの同時接種が推奨されています。
(平成29年10月追記)
水ぼうそうとおたふくかぜの集団での流行が後を絶たない状態が続いています。
また、水ぼうそうは脳炎、おたふくかぜは難聴や髄膜炎と怖い合併症があります。中には重症化し、水ぼうそうで亡くなる方も年間20名ほどいることも「水ぼうそうの予防接種を受けよう」の項で記載した通りです。
これらの流れを受けて、平成24年4月20日の「日本小児科学会推奨の予防接種スケジュールの主な変更点」で水ぼうそうワクチンとおたふくかぜワクチンの2回の接種を勧めています。接種スケジュールは以下の表を参照してください。
1回目 | 2回目 | |
水ぼうそう | 1歳以降 | 1回目から(3ヶ月~)1年後 |
おたふくかぜ | 1歳以降 | 1回目から5~6年後 |
いずれのワクチンも接種率が低い傾向にあります。
2回の接種で高い抗体価が得られるため、集団生活に入る前にワクチンの接種をお勧めします。
(平成24年7月)
平成24年4月より、文部科学省の「学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令」が施行され、インフルエンザ等の出席停止の期間の基準が改正されました。
インフルエンザの場合、従来は「解熱した後2日間は出席停止」でしたが、抗インフルエンザ薬の使用により発熱期間が短縮し、実際は回復した状態ではないのに登校し、感染を拡大してしまうことがこれまで何度も問題視されてきました。
また、逆に、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、従来は「耳下腺の腫脹がなくなるまでは出席停止」であったために、1週間から長ければ2週間近く休まなければならないこともありました。今回の改定で、出席停止期間がウイルスを排泄する期間の5日間となったことで、ご家族の負担も軽減されるはずです。
今回の改定で、子供たちの体力の回復状態と、登園・登校できる期間とが合致できればいいと思います。
インフルエンザ | 発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで |
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百日咳 | 特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が修了するまで |
流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ) | 耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで |
※基本的には予防接種で予防できる病気は、ワクチンを接種しましょう!!
(平成24年4月21日)
「水ぼうそうは、誰かからもらって、かかってしまった方がいい」ということをいまだに聞きますが、これは大変危険な考えです。
日本では、年間約30万人(実際には300万人とも言われています)の方が、水ぼうそうにかかります。そのうち、「脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症」で毎年約20人が亡くなっています。
また、水ぼうそうは、麻しんや結核と同様に「空気感染」する感染力の大変強い病気です。家庭内での接触による感染は90%以上と言われます。
水ぼうそうは、5月と11月に流行のピークがあります。特に、保育園での集団発生が目立ちます。4月中旬の現在、少し流行の兆しが感じられます。
予防接種をすれば、発症を阻止できるほかに、前述した「脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症」の心配をせずに済みます。特に、保育園などの集団生活をする子供たちは全員が接種しなければならない予防接種です。
水ぼうそうのワクチンは、実は、純国産品です。
そのワクチンの安全性や抗体価の高さは、他の国ではまねできず、先進国ではほとんどが日本で開発されたワクチンを輸入して使用しています。
1歳を過ぎて、麻しん風しん混合ワクチンが済んだ方は、是非、水ぼうそうの予防接種を、そして、同様の理由で、おたふくかぜの予防接種をお願い致します。
(平成24年4月12日)
一時、ヒブ・肺炎球菌ワクチンで死亡例が短期間に集中し接種見合わせとなりました。しかし現在(4月1日から)両ワクチンおよび同時接種の安全性が確認され再開されています。いまだ保護者の方々には同時接種は危険だという誤解が解けておらず、同時接種を忌避される方もおられます。
報道された7例の死亡例について
このことが周知されず誤解を生んでいると思われます。
同時接種する利点として
同時接種だからと怖がる必要はありません。どうしても気になるようでしたら単独接種でもかまいません。予防接種は推奨時期の早めに終わらせていきましょう。
麻疹は大病です。50年前までは麻疹による死亡例が数1000名ありましたが、予防接種の導入により現在は数10名にまで減少しました。しかし、我が国では未だ推計で10‐20万人規模の患者発生があり、死亡率は0.1~0.2%、合併症率約30%、平均入院率40%にも示される通り、重篤な疾患であることに変わりありません。今年に入って麻疹患者数は2000名を越しており、昨年に続いて大流行の兆しがあります。また、今年の麻疹患者の約半数は10歳代であり、青少年の麻疹の免疫の減衰が問題になっています。ただし、麻疹は2回の予防接種でほぼ予防できます。先進国ではすでに麻疹の予防接種は2回になっています。日本でも2006年4月から、第2期(小学校入学前年度の1年間にあたる児)が導入されましたが、青少年の麻疹患者数の増加対策として、2008年4月から5年間に限って第3期(中学1年生相当世代)、第4期(高校3年生相当世代)が導入されます。これにより、1990年度以降生まれの人が、麻疹・風疹ワクチンの接種機会を2回設けることができました。
・麻疹・風疹ワクチン2回接種の意義
理由その1 | ・1回の接種で免疫がつかなかった子どもたちに免疫を与えます。 |
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理由その2 | ・1回の接種で免疫がついたにもかかわらず、その後の時間の経過とともにその免疫が減衰した子どもたちに再び刺激を与え、免疫を強固なものにします。 |
理由その3 | ・1回目に接種しそびれた子どもたちにもう一度、接種のチャンスを与えます。 |
・接種スケジュール
第1期 | 1歳 |
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第2期 | 小学校入学前年度の1年間にあたる児 |
第3期 | (2012年まで)中学1年生相当世代 |
第4期 | (2012年まで)高校3年生相当世代 |
第3期と第4期は2012年度で終了しました。